「ストレスを抱えている」「不眠に悩んでいる」「不登校の子どもにアプローチしたい」「手を何度も洗うなどの強迫観念に困っている」
上記のような、不安やストレスによる症状がどうして起こるのか・どうしたら治るのかが書いてあるのが、今回ご紹介する『不安のメカニズム』です。
実際に読んでみて、「もっと早く読みたかった!」と思いました。
一部をピックアップ・要約して、どんな本かご紹介できればと思います。
本書はどんな人に有効か
ストレスや不安によって、メンタルの調子が悪かったり、頭痛や吐き気など身体的な症状が出てしまったりしている人に有効です。
ストレスや不安で心身に影響が出ていることを、本書では「神経症」と呼んでいます。
頭痛などに悩んでいて、でも病院で検査しても何も悪いところはないと言われて困ったことはありませんか?
そのようなケースを神経症として、神経症から回復するためにはどうしたらいいのかが書かれています。
不安が起こるメカニズム
不安が起こってしまうのは、「恐怖→アドレナリン→恐怖」の無限ループに陥ってしまうせい。
ストレスがかかると、多かれ少なかれ頭痛や腹痛などの身体症状が出ます。
頭痛が起きる→「また頭痛だ…しんどい…こんなに頭痛が起きるなんて、私はやっぱりどこかおかしいのだろうか…」(こう思うことでさらにストレスがかかる)→アドレナリン分泌→頭痛が強まる
このような連鎖が起きてしまうのです。
著者は、「症状が襲ってきたときに、びくびくしながらそれに神経を集中させるのをやめるように心がければ、それはいつかきっと去っていきます」と述べています。
症状を気にしすぎるのをやめれば、不安によるあらゆる心身の不調は消えていくとのことです。
この考え方を応用することで、不登校・広場恐怖・強迫性障害などにも有効な手立てが考えられます。
不眠を改善するには
本書では色々な症状に対する具体的な対処法が載せられていますが、その中でも不眠についてご紹介します。
不眠も先ほどと考え方は同じで、「寝れない→寝れないのが気になって寝なくてはと思う→より寝れなくなる」の無限ループを避ければ、寝れるようになります。
死ぬまでずっと眠れない人は存在しません。
生き物として、必ず眠るようにできているので、心配しなくてもいつか必ず眠れる日はくるとのことです。
寝付けずに「また今日も眠れない…」と思い、睡眠のことを考えてしまうのをふせぐためには、「耳をすます」ことが有効であると述べられています。
静かな夜のかすかな風の音に集中することで、脳のリソースを無限ループの思考ではなく聴覚情報に費やすことができます。
羊の数を数えるのも、思考を断って別のことに集中できるという点で有効だそう。
忙しくすると回復する
気分の落ち込みがひどいと、何もやる気が起きなくなりますよね。
不登校の場合も、無気力になって何もしたくないというお子さんは多いです。
そんな時に、本当になにもせずただぼーっと過ごしていたら、「無気力な自分」を意識してしまい、無限ループの思考に陥ってしまいます。
そうならないために、ゲームでも外出でも趣味でもなんでもいいので、忙しくするといいそうです。
忙しければ、無限ループの思考をしている暇はありません。
その結果、ゲームをしている間だけでも生き生きと楽しい時間を過ごせれば、あとはその楽しい時間を他の活動でも感じられるようにしていけばいいのです。
まとめ
不安の無限ループを避ければ、心身の症状はいつかきっと去っていくという内容の本でした。
うつ病が一番ひどい時に、この本の知識を知っていればよかったな~と後悔しています。
ストレスや不安によって起こる症状に悩んでいる方は、ぜひ読んでみてください!
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